意外と知らない除光液の正しい捨て方と注意点!捨てる前にこんな使い方も

意外と知らない除光液の正しい捨て方と注意点!捨てる前にこんな使い方も

鼻をつくツーンとした匂いが特徴的な除光液。「中途半端に残ったままだけど、もう使わないから捨てたい」「いつのものか分からないから買い替えたい」…こんなとき、みなさんは正しい処分の仕方を知っていますか?

今回は、除光液を捨てるときにやってはいけないこと、正しい捨て方や気をつけることなどをみていきます。さらに、捨てる前に試して欲しい除光液の再利用アイデアも紹介します。

除光液とは

除光液はマニキュアを落とすための溶剤で、ネイルリムーバーやエナメルリムーバーとも呼ばれています。コットンなどに染み込ませてマニキュアを拭き取るようにすれば簡単に落とすことができ、ドラッグストアや100均で手軽に買うことができます。

除光液に含まれているアセトンは有機溶剤として用いられている物質で、ツンとする刺激臭の正体でもあります。引火性も強く消防法で危険物に指定されているため、除光液は捨て方に気をつけなければならないのです。

アセトンそのものは家庭で処分できない

ちなみに、ジェルネイルの場合、アセトンの配合量が足りないため除光液で落とすことはできません。ジェルネイルを落とす際には100%のアセトンや濃度が高い専用のリムーバーを使用しますが、アセトンは特別管理産業廃棄物に分類されます。厚生労働省が発信している「職場のあんぜんサイト」によると、アセトンの廃棄については「関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理すること」と呼びかけていますので、アセトン自体を家庭で処分することはできません。

やってはいけない除光液の捨て方2つ!

【その1】中身を排水口に流して捨てる

ついついやってしまいそうな捨て方ですが、除光液を排水口に流してしまうと環境破壊につながります。アセトンは独特な刺激臭もあるため、排水管が共用になっているマンションなどの集合住宅では、管を通して別の部屋にも刺激臭が流れてしまい異臭騒ぎになる危険性も。アセトンを含んだ空気を吸い込み続けると、頭痛やめまい、吐き気などの健康被害に見舞われることもあるので、液体だからと安易に排水口に流すことは絶対にNGです。

【その2】ゴミ箱に容器ごとそのまま捨てる

少量だから大丈夫?と思うかもしれませんが、先述した通りアセトンは消防法で第4類危険物に指定されており、比較的低い温度でも引火もしやすいという特徴があります。そのためボトルの裏面には「火気厳禁」という注意書きがあります。火気があるところで液体が漏れると容易に発火してしまいますから、たとえ少量でも容器と中身はきちんと分けて処分を。

除光液の正しい捨て方と注意点

それではどのように処分するのがベストなのでしょう?除光液の捨て方には2パターンあるので、注意点も併せてチェックしてください。

【その1】 容器のふたを開けてそのまま蒸発させる

ふたを開けて放置しておくだけの手間のかからない処分方法です。アセトンは揮発性がとても高い物質なので、その性質を利用します。注意点としては、アセトン中毒を防ぐために十分な換気ができる屋外でおこない、お子さんやペットが倒してしまわないようにボトルの転倒対策をしておきましょう。

【その2】新聞紙などに染み込ませて牛乳パックに密閉して捨てる

残った除光液を新聞紙やキッチンペーパー、ボロ布などに染み込ませ、密封してから燃えるごみとして処分する方法です。揮発させる方法に比べると手順は多いですが、スピーディーに処理できるので、お子さんやペットのいるご家庭にはおすすめです。作業中はしっかり換気をすることと、きちんと密封してから処分することが大切です。蒸発しにくいノンアセトンタイプの除光液を処分するときにも、こちらの方法が向いています。

▶︎用意するもの

  • 牛乳パック
  • 除光液を吸収させる新聞紙やボロ布
  • ビニール袋
  • 粘着テープ

1、 牛乳パックの中にボロ布や細かく裂いた新聞紙などを詰める

2、 除光液を染み込ませる

3、 パックの口を粘着テープで密封する

4、 さらにビニール袋に入れて密閉→燃えるごみとして出す

使用済みコットンやシートタイプ除光液の場合は?

マニキュアをオフしたあとの使用済みコットンやティッシュ、除光液を染み込ませたシートが個包装されている使い切りタイプの場合は、そのままゴミ箱に捨ててしまっても問題ありません。ただし引火する恐れやアセトン中毒の危険性があるため、乾燥させてから処分する方が安心です。

除光液の容器の捨て方

続いて、除光液が入っていた容器の捨て方についてです。まずは除光液が入っていた容器の素材を確認します。容器はプラスチック製か瓶の場合が多いので、資源ごみとして回収してもらえる場合も。ごみの分別のルールは自治体によって異なるので、ご自分の自治体のHPなどでしっかり確認してください。

プラスチック容器の場合(プラスチックマークがついているもの)

容器がプラスチック製の場合は「プラスチックごみ」や「容器包装プラスチックごみ」の資源ごみとしてリサイクル回収してくれる自治体が多くあります。ただし、「プラスチックマークがついているものに限る」「中身の汚れが取れない場合は不可」などの注意点をしっかりチェックしてから処分してくださいね。

プラスチック製容器を資源ごみとして回収している主な自治体

・葛飾区・江戸川区・練馬区・横浜市・広島市・堺市・札幌市・相模原市・大阪市・八王子市・福岡市・名古屋市など

容器が瓶の場合

除光液が入っていた瓶は、資源ごみになる場合と燃えないごみになる場合があり、自治体によって異なります。「飲食物以外のものが入っていたビンは回収できない」「乳白色のびんは回収できない」「汚れが残っているびんは回収できない」などの条件があり、これらに当てはまる場合は資源ごみにすることはできません。

飲食物以外が入っていたびんは資源として回収できない主な自治体

・台東区・世田谷区・葛飾区・江戸川区・大田区・板橋区・横浜市・堺市・神戸市など

捨てるの待って!残った除光液の活用法3選

除光液はマニキュアを落とすだけでなく、さまざまな場面で活用することができます。ここからは暮らしニスタさんたちの除光液活用アイデアをご紹介します。

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除光液は正しく捨てて安全に

除光液をそのまま捨てたりシンクに流したりすると、事故や健康被害につながる恐れがあります。処分するときはルールを守って捨てましょう。汚れ落としに再利用する方法も試してみてくださいね。

まとめ/暮らしニスタ編集部

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